銅版印刷のカード

とてもときめくお手紙が届きました。それは先月ニューヨークから来日した際にお店にきてくださったお客様、アリソンからのお手紙。

届いたお手紙はとってもシンプルなコレスポンデンスカードカードでした。コレスポンデンスカードカードとはいわゆる名入れのカードです。欧米では少しフォーマルなパーソナルカードとして頻繁に使われています。基本的にはがきサイズぐらいの大きさで横使いとして使用します。名前はカードのセンターに印刷するというのが基本です。

アリソンの愛用しているカードもその基本に合ったものでした。アメリカの老舗、クレイン社のコットン製のカードと封筒になんともシンプルで美しい書体がブラック色で印刷されています。

そのカードの印刷に一瞬はっとしました!!

なんと、印刷方法の中で高級な部類に入る「銅版印刷」でした。。すごーい!!欧米ではエングレービング(engraving)と呼ばれています。

このブログでもしばしばご紹介している活版印刷(レタープレス)はハンコのような凸版にインクをつけて印刷をするのですが、この銅版は凹版(おうはん)ともよばれていて、版を掘ってそのくぼみにインクを入れて印刷をします。文章ではちょっと説明が難しいですが、とても高価な印刷方法なのです。

彼女のカードは「POWELL」とラストネームを入れています。これは結婚した時に旦那様と一緒に使えるからという事で苗字のみにしたそう。もちろん、個人用にする時は名前と苗字の両方を印刷します。私のコレスポンデンスカードも名前と苗字を並べたタイプにしています。

さて、このエングレービングのカードを見分ける方法をちょっとご紹介。まずはインクが盛り上がっていること。凹版の溝にインクを入れて印刷するのでインクがボコッと盛り上がっています。

それから、印刷部分のカードの裏面がへこんで見えるのです。

このへこみ部分がエングレービングの代表的な特徴です。ギューっと版を押し付けて印刷するのでこのようにへこみができるのです。

とってもクラッシックで素敵なカード、私もいつか作ってみたいです♥